ペットの病気でお金が足りず借りた
借金の取り立てをやめさせる方法は2通り。
その取り立てが「正当な方法かどうか」で異なります。
正当な方法なら「返済する」か「債務整理する」しかありません。
違法な方法なら「通報する」ことができます。
しかし、通報しても「違法な取り立て」が終わるだけ。
「正しい取り立て」は続くので、結局「返済」か「債務整理」のどちらかが必要です。
そして、返済ができないためにこういう状況になっているわけですから「債務整理は必須」ということです。
【目次】
1.違法な取り立てで困っている時の対処法
1-1.法テラスなどに相談すれば、すべてアドバイスしてくれる
1-2.違法な取り立ては通報することができる
1-3.債務整理を開始すれば、違法な取り立ては完全に止む
1-4.特に悪質な業者の場合、取り立ての証拠を残しておく
2.債務整理の方法・種類・メリット
2-1.個人再生
2-2.自己破産
2-3.任意整理
2-4.特定調停
3.まとめ「債務整理に感情を込めず、事務的に素早く処理すべき」
1.違法な取り立てで困っている時の対処法
1-1.法テラスなどに相談すれば、すべてアドバイスしてくれる
とりあえず、法テラスなどに相談しましょう。
電話相談を無料で受け付けています。
あまり難しく考えず「とりあえず番号を押してみる」程度に考えるのが一番です。
あとは、あちらがプロですから、うまくあなたの話を聞いてくれます。
そして、違法な取り立てにどう対処すればいいか、アドバイスしてくれます。
ここで、取り立ての内容別に「こういう罪状になるので通報できる」と書くこともできますが、ケースが千差万別なので、個別の相談をしていただくのがいいでしょう。
1-2.違法な取り立ては通報することができる
今日中にも危険が迫っている、というような暴力的な取り立てを受けている場合は、先に通報すべきです。
身の危険を感じるレベルの取り立ては、恐喝罪・強要罪・業務妨害罪・住居侵入罪・器物破損罪など、必ずどれかの罪状に当たるので、通報できます。
通報し、業者の電話番号も警察に教えましょう。
それが固定電話だったら、警察は住所も突き止めることができます。
携帯電話の場合も、その契約から遡って、業者を特定して摘発できるわけですから、警察からの連絡は、業者にとって背筋が凍るほど怖いものです。
なので、その場に取り立ての業者がいてもいなくても、とりあえず通報しましょう。
「こういう取り立てを受けている。業者の住所と電話番号は…」という風に伝えれば、警察が警告程度はしてくれるはずです。
(その後が怖い、というような闇金から借りている場合は、そのまま交番で身を守ってもらいましょう)
1-3.債務整理を開始すれば、違法な取り立ては完全に止む
どこかに逃げるにしても逃げないにしても、債務整理は確実にやりましょう。
「暴力的な取り立てを受ける」ということは、もうその時点で、自力返済は無理なレベルです。
債務整理はどの道必要ですし、何より、債務整理をすれば業者からの取り立てが完全に止みます。
訪問はもちろん、電話も郵送も止まります。
あなたが一人で戦っている時と違い、債務整理では弁護士などの専門家が間に入るので、「下手なことはできない」というのは業者もわかっているのです。
(日本では、一番強いのは暴力ではなく法律です。これは日本に生まれて本当に感謝すべきことです)
なので、一切の抵抗を持たずに、急いで債務整理を開始しましょう。
法テラスなどに相談しても、必ずそうアドバイスされるはずです。
債務整理に抵抗を持つ気持ちはわかりますが、「債務整理=面倒」とか「債務整理=破産」というのは、ただのイメージ。
実際には非常に簡単ですし、その後の生活にもほぼダメージはありません。
いくらでも普通の生活に戻ることができます。
1-4.特に悪質な業者の場合、取り立ての証拠を残しておく
最後に補足ですが、特に悪質な取り立ての場合、できるだけ証拠を残しておきましょう。
大声で怒鳴っているのを録音したり、取り立ての内容を細かくメモしておいたり、電話の内容を録音したり…という風です。
もし買うお金があったら、3000円程度でペン型の隠しカメラなども買えます。
録音も録画もでき、音質・画質もなかなかのものなので、証拠としては十分使えます。
こういう証拠があれば、通報した時に警察も動いてくれやすいので、ぜひ残しておきましょう。
2.債務整理の方法・種類
2-1.個人再生
個人再生は「借金を5分の1に減額する」「3~5年でそれを完済する」というもの。
たとえば借金総額が800万円だったら、5分の1は160万円。
800万円だったら絶望的ですが、160万円だったら完済も現実的になるでしょう。
これを5年で完済するということは、1年で32万円の返済。
利息も考えると月々2万5000円と言ったところです。
800万円というほぼ返済不可能な金額が、「月々2万5000円で5年」という、一気に返済可能な金額に変わるんですね。
キャッシング地獄に陥っている方が、個人再生をすべき理由が、よくわかるでしょう。
(ちなみに、必ず5分の1になるとは限りませんが、5分の1が相場です。その人の返済能力にもよります)
2-2.自己破産
一番有名な債務整理です。
自己破産は多くの人が勘違いしていますが、「その後の給料は、全部自分のもの」になります。
取られるのは、「自己破産する時点での、資産だけ」です。
たとえば自宅とか自動車、貯金などですね。
もう、ここまで来る時点でそれらの資産はほとんどないでしょう。
マイホームを持っている方は別ですが、そうでない普通の方なら、自己破産しても失うものなどないはずです。
自己破産なら、他の債務整理と違って「返済が一切なし」になります。
借金が全てチャラになる、ということですね。
「免責」というのが下りればですが、1回目の自己破産ならほとんどの場合、免責が下ります。
この免責が下りるまでの数ヶ月、特定の職業(弁護士など)に就くことができません。
しかし、これもほとんどの人にとってはどうでもいいでしょう。
自己破産のデメリットは、限りなくゼロに等しいのです。
(その後、5年~10年、新規のカードローンやクレジットカードの審査に通らない、というくらいです)
2-3.任意整理
任意整理は、内容が一つに決まっているわけではありません。
文字通り「任意に整理」するものです。
ただ、一番多いのは「過払い金の返還」です。
法定金利を超えた金利で払っていた分を、返してもらうということですね。
もちろん、返してもらうと言っても「普通の借金」も残っているわけですから、そっちに充当します。
そうして「借金を減額」するんですね。
その他にも「一部を一括返済するから、全体を減らしてほしい」など、あらゆる交渉が許されています。
(飲むかどうかは業者次第ですが)
この一括返済というのは、もちろん本人はできないので、親族など誰かが立て替えます。
任意整理は一番「何でもあり」なので、多くの人の債務整理はこれになります。
(ただ、個人再生が一番わかりやすかったので、最初に説明しました)
2-4.特定調停
特定調停は、簡単にいうと「任意整理を裁判所でやる」というだけです。
専門家の間でも「特にメリットはない」という声が多いです。
裁判所でやるメリットがあるとしたら、「業者がよほど信用できない時」でしょう。
「契約書に、絶対何か細工してくる」というような自信がある場合、裁判所を通した方がいいでしょう。
3.まとめ「債務整理に感情を込めず、事務的に素早く処理すべき」
ここまで紹介した通り、債務整理のメリットはとにかく大きいです。
特に個人再生など「どう考えても、こんな美味しい話はないだろう」というくらいの内容です。
「美味しい」というと業者さんに対して不謹慎かも知れませんが、わかりやすくいうと、そういう表現になります。
自分の立場を離れて客観的に見れば「これ以外の選択肢はない」というのが、どの債務整理を見ていてもわかるはずです。
にもかかわらず多くの人が債務整理をせず、闇金から借りてしまったりするのは、単純な「法律アレルギー」と「債務整理という言葉への悪いイメージ」です。
日本人は、確定申告すら面倒臭がるくらい法律が苦手ですし、債務整理とか自己破産という言葉に対しても、とかく暗いイメージを持っています。
しかし、少し知識のある人間からしたら、法律なんていうのは大学のレポートくらい簡単なもの。
すべて暗記して弁護士になるのは確かに大変ですが、「自分に必要な手続きだけする」なら、びっくりするほど簡単なのです。
そして、債務整理や自己破産の内容も「これ、完全に普通の生活じゃん」というくらい、何も変わらないのです。
「免責までの数ヶ月、弁護士や司法書士などの仕事に就けない」など、ほとんどの人には、全く関係ないデメリットです。
(唯一困るのが「宅建主任」くらいです。不動産関係の人は困るでしょう)
…というごくごく一部の人にしかデメリットがないやり方なので、旗から見たら「やらない方がどうかしている」というくらいなんですね。
なので、あまり暗いイメージなどを持たず、また、苦手意識も持たず、淡々と事務的に、すばやく処理していただけたらと思います。
人生の一時期借金で苦しんだことなど、大したことではないのです。
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